グローバルな金融経済の動向を、ユニークな視点を交えてお伝えいたします。

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アイルランドはユーロを離脱すべきか?

先日、EUとIMFによるアイルランドの救済策が決まりました。

 ただし、EUやIMFによる救済は国民に対する厳しい歳出削減と増税を意味してします。半年前のギリシャで起こったことと同様で、アイルランド国民は激しいデモで反発しています。

 さらに問題なのは、今回はとりあえずかわしたものの、これまで、過去20年に渡って、アイルランドを成長させてきた、低い法人税率の引き上げ圧力が今後何年も続きそうなことです。

 リーマン・ショック以降のアイルランド政府の対応の早さは、ギリシャとは全く対照的で、アイルランドは真っ先に銀行預金を保護し、バッド・バンクを設立して不良資産問題に対応してきました。今回のEUなどからの救済も、多くの支援資金が銀行救済に振り向けられます。

 しかし、一方でこのような政府の銀行救済の方針自体が間違っていたという考え方もあります。

先日ブルームバーグのコラムニストであるマシュー・リン氏が興味深い見解を書きました。「アイルランドは(EUなどの)救済融資を受け入れるより破産した方がよい。救済に付される条件は救われるに値しない。一度EUの資金を受け取ったら、二度と自由になれない。第一、アイルランドの銀行は救う価値がない。デフォルトは通常言われているほど恐ろしいことではない」というのです。

おそらく、かなり多数のアイルランド国民も、リン氏と同様の考えをもっているのではないでしょうか。

ギリシャの場合もそうでしたが、ユーロ圏というしがらみがなく通貨の大幅切り下げやデフォルトをした方が、危機を起こした国民にとっては、ずっと楽な対処方法である可能性が高いのです

今回の問題で深刻なのは、もともとユーロ加盟の適性に疑義がある、ギリシャでなく、真面目で有能なアイルランドでも事態がここまで悪化してしまったことです。

そういう意味では、ユーロ圏の通貨だけ統合して、政治も経済運営も別々という野心的な試みは、致命的な欠陥を持っていると言えるのかも知れません。

今回のEUによるアイルランド支援は、この致命的な欠陥を放置したまま、すでに走り始めてしまった枠組みの延命措置をしているだけにも見えます。

ユーロが、長期間に渡って継続可能な制度にするためには、このような延命措置でなく、どこかで大手術が必要になる気がしてなりません。
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