グローバルな金融経済の動向を、ユニークな視点を交えてお伝えいたします。

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ゴールドマン「神の仕事」の実態

 昨年末、NYタイムズ紙は“Banks Bundled Bad Debt,Bet Against It and Won”
という記事を載せました。

 ゴールドマンやドイツ銀行、モルガン・スタンレーといった金融機関が顧客
に将来下落が予見されるモーゲージ債権を束ねてCDOという証券化債券に仕立
て上げて顧客に販売し、自分たちは顧客と反対サイドのポジションをとって大
儲けをしてきたということを暴露した記事です。

 記事はウォール街の金融機関の中でも、とりわけゴールドマン・サックスに
焦点を当てて、多数の実名を挙げてそのやり口を詳細に説明しています。

 ご記憶の方も多いかと思いますが2007年の後半、サブプライム問題の表面化
によってサブプライム・ローンに関連するモーゲージ債券の価格が急落した際
に、ゴールドマンは他の金融機関が大きな損失を出す中でただ一人記録的な収
益を計上して関係者の賞讃の声を集めました。

 当時は、ゴールドマンがサブプライム・モーゲージの危機を予見してABXと
呼ばれるインデックスやAIGなどとのクレデリ取引を使って、収益を生んだも
のと考えられていました。

 これらの取引は大手の金融機関同士取引が主体なので、ゴールドマンが儲け
て他の金融機関が損をするという構図であると誤解され、他社を出し抜いたゴ
ールドマンに賞讃の声が上がったのです。

 しかしNYタイムズの記事で暴露されたのは、ゴールドマンは市場での取引だ
けでなく自分の顧客に大量のCDOを販売することによって、サブプライム・ロ
ーン市場が崩壊した場合に大儲け出来るポジションを積み上げてきたというの
です。

 さらに顧客に悪い持ち値を押しつけるために、一部のトレーダーは格付け会
社に働きかけてCDOの格付けを引き上げる働きかけをしてきたといった証言な
ど、数々の悪行も紹介されています。

 記事ではTetsuya Ishikawa(日本人?)という元ゴールドマンのセールスマ
ンが昨年4月に出版した”How I Caused the Credit Crunch”という本で「市
場が崩壊した債券を購入した顧客たちを、バンカーたちは見捨てた」ことを綴
った本であると紹介し、Ishikawa氏の「われわれは自分たちを守るために、他
人を傷つけ続けなければならなかった」というコメントも付け加えています。
(Ishikawa氏がBBCから受けた本に関するインタビューはYou Tubeで見ること
が出来ます)

 このような批判に対しゴールドマン・サイドでは「投資家が自分たちでこれ
らの商品に殺到したのであり、われわれはそれを止めようがなかった」と説明
しています。

 この記事の話題は「世界潮流」1月8日号で紹介されていますが、編集人の倉
都は「これが金融帝国リアリズムの裏側の世界だ」として、先日ゴールドマン
CEOのブランクフェインCEOが「我々は神の仕事をしている」と述べたことは、
「まさにこうした神業であった」と皮肉っています。
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