グローバルな金融経済の動向を、ユニークな視点を交えてお伝えいたします。

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米議会はかつてのポーランド議会?

 先日クルーグマン教授がNYタイムズに面白い記事を書いていたのでご紹介い
たします。

 ポーランドがかつて領土・文化の両面で欧州の大国であったことはご承知の
通りです。

 16世紀のポーランドでは「貴族共和制」または「貴族民主制」とよばれる政
治システムが発達します。これは国王が「君臨すれども統治せず」の状況であ
る一方で、貴族はセイム(SEJM)と呼ばれる議会を支配し、その貴族は稀に見
る「自由と平等」を享受するシステムで、「黄金の自由」とも呼ばれました。

 クルーグマン教授によれば17世紀から18世紀にかけて、ポーランド議会で
あるセイムは「全会一致」の原則を掲げ、誰か一人が「私は同意しない」とい
えば法案は何も通過しなかったそうです。その結果ポーランドは統治不能にな
り近隣の大国の餌食となり1795年には消滅したと言います。

 さて、教授は現在の米上院がこのときのポーランドのセイムそっくりだと言
うのです。

 例えば、アラバマ州選出のリチャード・シェルビー上院議員は、オバマ政権
の70人以上の高官任命を人質にして、対テロ・センターのタンカー契約を獲得
しました。

 また先週上院が9カ月かけてようやく最終的に承認した政府独立機関である
一般調達局の局長人事については、人選自体には誰も異論はなかったにもかか
わらず、ミズーリ州選出のクリストファー・ボンド上院議員が地元カンザス・
シティの建設プロジェクトの承認に圧力をかけるために、承認を引き延ばして
来たそうです。

 なぜ、一人の議員がこのような力をもつのか。教授は、上院ではすべてを台
無しにすることさえしなければ、気に入らない被任命者の承認を遅らせること
が出来るという伝統が形成されてきたと言います。

 この「保留」が出来るという伝統は、かつては上院議員間の礼節や相互信頼
があったために乱用されることはなかったが、時代が変わったようです。

 伝統乱用の最悪の例は、1995年にギングリッチ議員がクリントン政権に医療
保険支出の大幅削減を求めて、連邦政府のファンディングの上限をカットして、
政府を一時機能停止に陥れたことだそうです。

 現在、共和党は、政府の財政支出拡大策に対してあらゆる反対を行っていて、
先日のマサチューセッツ州補選で敗北し、議事妨害を阻止できる安定多数であ
る60議席を割り込んだ民主党はそれに対抗できないといいます。

 米国の「民主主義の衰退」に関しては、カリフォルニアの衆愚政治、企業の
ロビー活動による国民の権利縮小などをご紹介してきましたが、クルーグマン
教授の嗜好に同調するかどうかは別にしても、米議会の活動にも病気の症状が
発症していることは間違いなさそうです。
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