グローバルな金融経済の動向を、ユニークな視点を交えてお伝えいたします。

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ゴールドマンによるギリシャの債務隠し

ゴールドマンが、ギリシャの債務隠しに加担していたという情報は、しばら
く前から一部のブログなどで発信されていましたが、先日はとうとう大メディ
アのNYタイムズでも取り上げられる事態となりました。

 さて、本題に入る前に、ユーロ圏(通貨ユーロ加入国)に加入する条件を簡
単に説明しておきます。

 欧州の通貨統合は90年代前半に発効したマーストリヒト条約によって、イン
フレ率や国家財政状況、金利などの条件が課されました。財政については、財
政赤字がGDP対比で3%以内、国家の債務残高はGDPの60%以内というなかなか
厳しい条件です。

 当時、櫻井はロンドンに在住していたのですが、90年代後半になるまでは、
長年放漫財政を続けていたイタリアやギリシャといった国々が、この厳しいハ
ードルをクリアできるとは、とても思えませんでした。特にギリシャなどは問
題外という印象でした。

 しかし、ユーロ発足の1999年の期日が近づくと、なぜかイタリアの財政は急
速に改善し条件をクリア、その2年後の2001年にはギリシャまでマーストリヒ
ト条約の条件をパスしてユーロ圏加入を果たしたのです。

 これは、おそらくその5年前には、ほとんど想像することさえ難しいような
出来事でした。

 しかしそれから10年、今明らかにされつつあることは、ギリシャの財政が短
期間に急速に改善したことはやはりフィクションに過ぎず、実際にはインチキ
をしてマーストリヒト条約の条件をクリアしていたという事実です。

 そして、そのインチキをサポートしてがっぽりと儲けたのがゴールドマンを
はじめとするいくつかの投資銀行であったというのです。

 その手口は、通貨スワップというデリバティブ取引を行って、実際にはギリ
シャは資金の借り入れを行っているのと同等な経済効果があるにもかかわらず、
「借り入れでなく短なるデリバティブ取引だ」と見せかけるものです。

 櫻井は、長年デリバティブズのトレーダーをやっていたのでよく分かります
が、デリバティブズをこのような目的につかうのは一部の人々の間で極めてポ
ピュラーなやり方でした。特に難しいことでもありません。

 おそらくゴールドマンなどにとっては、多数の国々がマーストヒリト条約の
クリアに苦しんでいたこの時期は、絶好のビジネスチャンスとなり大儲けをし
たことでしょう。

 投資銀行の過去の巨額の収益の裏には、このようなカラクリがあったのです。

 「インチキ」と書きましたが、実際は法律的には問題はない行為です。しか
し、この行為はマーストリヒト条約の意図した精神からは明確に乖離している
ことは議論の余地が無いことですし、他のユーロ圏諸国の立場からすれば問題
外の行為でしょう。

 ゴールドマンもギリシャももちろんそれを十分認識していたはずです。

 さて、NYタイムズの記事で暴露されている驚くべき事実は、ゴールマンの10
年前の行動だけでなく、今から3ヶ月ほど前の昨年11月にも同様の提案を、統
計を大幅修正して巨額の債務残高の事実を認めたばかりのギリシャに行ったと
いうことです。

 過去1年間ほどは、ゴールドマンの行動は世間からさまざまな批判を浴びて
きましたが、どうやら何も反省は無かったようです。

 一方でギリシャのデタラメ振りも大問題です。
 この問題の事実関係が確認されれば、ドイツなどはギリシャ救済の意欲を一
段と低下させることになるでしょう。

 ギリシャのユーロ離脱の可能性というのは、意外に早い時期に浮上してくる
かもしれません。
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