グローバルな金融経済の動向を、ユニークな視点を交えてお伝えいたします。

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中国に10流の「赤旗」

 先週の「世界潮流」では、「バブルの歴史」の著者であるエドワード・チャン
セラー氏がまとめた中国がバブルであることに対する10の警告(Red flag)
の話題を取り上げています。

 中国経済の先行きに対する見方は、このメルマガでも何度か取り上げていま
すが、人によって見方が大きく分かれるところです。

 チャンセラー氏の見解はCMOの「白書」という形で発表されたものですが、
バブルの古典的な10の特徴と、現在の中国の10の特徴をそれぞれ示して、中
国経済のバブルの兆候を指摘しています。
 
 中国バブル論は数多くありますが、これは過去のバブル研究の第一人者によ
る、現在の中国バブル論の簡潔ながら集大成とも言える興味深い内容です。
 
 せっかくなので、古典的なバブル部分は省略しますが、中国に関するものを
簡単に要約して説明します。

① チェイナ・ドリーム:中国の人口は2015年には減少を始める。労働参加率
は今年がピークで今後は安い労働者の新規参入は限られたものになる。
② 中国共産党への信頼感:現在の中国共産党に対する過剰な信頼感は、かつて
日本の政治が西洋より優れているという見解があったのと類似している可
能性。歴史的には中央集権経済が最適とは言い難い。
③ 投資ブーム:昨年の中国の投資は30%増加して、昨年のGDP成長の9割を占
めている。中国は今の発展水準にしては大きなインフラを既に保有している。
④ 腐敗:投機ブームには常に腐敗が伴うものである。中国には「地方分権化し
た略奪」のシステムがあると言われ、地方のインフラや不動産投資に関連し
た腐敗は、中国の成長の質を落としている。
⑤ イージー・マネー:金利はGDPの成長率との対比で低い水準が続いており、
昨年のマネーサプライの増加は30%を超えた。
⑥ 固定相場制:割安なレベルで固定された為替レートは、輸出の拡大、金利の
押し下げ、海外からの投資呼び込みの効果がある。今の中国と同じような規
模の外貨準備を積み上げた例は、1929年の米国と、1989年の日本だけであ
る。
⑦ クレジット・ブーム:昨年政府は銀行融資の拡大を進めて、融資は10兆元、
GDPの30%あまりも増加した。
⑧ モラル・ハザード:中国の主要銀行は政府によってコントロールされ、過去
に沢山の焦げ付きを作ってきた。S&Pの推計では、中国の融資の約半分が問
題融資との推計もある。
⑨ 危険な融資慣行:2007年の欧米の信用危機のように、資産価格の上昇を前提
にした融資慣行は資産価格の下落とともに崩壊する。中国の地方政府が行っ
ているインフラ投資は、ほとんどキャッシュ・フローを生んでいない。
⑩ バブル:昨年の7月下旬のある日の上海A株取引額は、東京、ロンドン、NY
の取引上の取引額を全部足したものを上回った。不動産市場のバブルぶりに
ついては既に多くの報告がなされている。

 さて、ご覧になっていかがでしょうか。それぞれの項目については、いろい
ろ意見もあろうかと思いますが、ポイントが良く整理されていることは間違い
ないのだと思います。

 個人的には政治の信頼感に最も注目していますが、人口問題も興味深い指摘
ですね。

 とりあえず短期的には中国バブルは崩壊しそうもないのですが、中長期的に
は、チャンセラー氏が示してくれたポイントを注意して見ていた方が良さそう
ですね。
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