グローバルな金融経済の動向を、ユニークな視点を交えてお伝えいたします。

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ギリシャとアルゼンチンの類似性

 今回もギリシャの話題を続けます。

 前回書いたように、ギリシャはおそらく当面の資金をEU諸国やIMFから引き
出すことが出来ると思いますが、中長期的には非常に厳しい状況にあります。

 正直なところ、いずれは何らかの債務の減免策(リスケジュール)を要請し
なければならないことはほとんど不可避のように思われます。

 重大な債務削減はデフォルトの一つの形態です。

 ギリシャ政府の債務残高が現在先進国では日本に次ぐ高いグループにいるこ
とから、よく日本との比較がされますが、実際には2001年の12月にデフォル
トを起こしたアルゼンチンとの類似性の方がよほど高いように思われます。

 デフォルトをする数年前までのアルゼンチンは、為替相場をドル・ペック制
にすることで海外から大量の資本投資を呼び込み、慢性的な経常赤字体質にも
かかわらず、好調な経済を維持していました。

 そしてアジア危機やロシア危機などの後でも一見好調な経済が、さらに海外
からの資本流入を呼び込みました。

 ところが強い為替で輸出競争力が落ち景気が低迷し、アルゼンチンへの資本
の流入が停滞し始めると一気に状況は悪化、景気の悪化から資本は流出に転じ
て、これが調達コストの増加という悪循環に陥りデフォルトしました。

 ドルやユーロなどの主要通貨との為替リンクによる資本流入に頼った経済の
拡大は、何かの拍子に資本の流れが逆流し始めた際に一気に悪循環に陥ってし
まう可能性があります。これは97年のアジア危機、98年のロシア危機、最近の
バルト諸国の危機などどれも共通の構図です。

 ギリシャは、ユーロ圏への加盟による為替のリスクからの解放と、ユーロ圏
諸国の後ろ盾による信用力の高まりによる調達コストの低下によって、他のユ
ーロ諸国から金を借りまくりました。
 
 海外からの資本流入が続いている間は、経済成長は非常に順調で、これがさ
らに資本流入を呼び好循環になります。この状態がアルゼンチンでは1998年、
ギリシャでは2007年ぐらいまでの状況です。

 気がついてみると、ギリシャの対外債務は過去数年で急速に増加しました。
増加部分のほとんどは国債増発によるものだったようです。その結果、ギリシ
ャ国債の7割以上は海外に保有してもらうような状況になりました。

 しかし海外の投資家が抱いていた「ユーロ諸国の後ろ盾」という信頼感が単
なる幻想に過ぎないことが分かった途端に、投資家はリスクに見合う高い金利
を要求し始め、ギリシャの調達を難しいものにさせます。

 これは経済のブームと、その後の資本の逆流による危機の典型的なパターン
ですし、GDPの成長だけを見て投資をしてしまう行為の愚かさでもあります。

 海外から借り入れた資金でギリシャの公務員達はキリギリスのような生活を
送っていたのですが、急に金を返せと言われても既に使ってしまいましたし、
労働組合はまだキリギリス生活を続けさせろと主張しています。

 人間は、いったん良い暮らしを味わうと、簡単には昔の厳しい生活には戻れ
ないものです。

 さて、ギリシャの債券はこのあとどのような運命をたどるのでしょうか。

 ちなみに、デフォルトしたアルゼンチン債は元本を70%削減した上で、償還期
日を30年先まで引き延ばされました。
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