グローバルな金融経済の動向を、ユニークな視点を交えてお伝えいたします。

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ギリシャ国民の反乱

 ギリシャ問題はとうとうNY株の大パニックに発展しました。

 6日のNYダウの日中の下げ幅は998ドルでこれは過去最大の値幅だそうです。
この急落の原因の一部は先物の誤発注とそれに誘発されたプログラム取引にあ
りますが、それがなくても投資家達が既にパニック状態にあることは間違いな
いでしょう。

 今回の動きで興味深いのは、市場の動きはやはり人間の心理に大きく左右さ
れるように見えることです。

 ギリシャがデフォルトする懸念はずいぶん前から浮上していたわけですし、
先日のEU諸国やIMFの支援表明によって、当面のデフォルトは回避されたばか
りなので、このタイミングで市場がパニックを起こす必要は特にはないのです。

 個人的には、火炎瓶が飛び交い、デモに関係ない人達に死者がでるような事
態にまで発展したギリシャの暴動のテレビ映像が、投資家の心理にパニックを
引き起こしたのではないかと思えます。

 5月2日に発表された、EUとIMFの支援策では、ギリシャが当面必要とする
資金を供給する一方で、ギリシャに対しては年金支給や公務員のボーナスの削
減やVAT(付加価値税)の引き上げなど厳しい財政緊縮策を飲ませました。

 支援を実施したEU諸国や、他のギリシャ国債の投資家の立場かすれば、ギリ
シャ国民がこの要求をおとなしく受け入れて、将来も高い金利をせっせと払い
続けるというのがもっとも理想的なシナリオです。

 しかし、逆にギリシャ国民の立場から考えてみれば、これから非常に長期間
に渡って生活を切り詰めて巨額の借金を返済していくより、いっそのことデフ
ォルトして借金を一旦チャラにしてもらった方がよっぽど良いと考えるかもし
れません。

 確かにギリシャの一部の人達は、これまでEU諸国から借りまくったお金で贅
沢な年金生活をエンジョイしているので、今回の事態は身から出たサビである
ともいえます。しかし他の多くのギリシャの人達にとっては、借金のツケだけ
を払わされることになると感じるのでしょう。

 現在考えられるギリシャ問題の解決策は、緊縮財政かデフォルトしかなさそ
うですが、これは一部のギリシャ人の安逸な借金生活のツケを払うのが、ギリ
シャ国民か投資家かのどちらか一方を選ぶ二者択一の問題であるともいえるわ
けです。

 ギリシャで起こっている暴動の映像は、海外の投資家の自分たちの都合のよ
い甘い期待に対して、強烈な「ノー」を突き付けているとも言えるのでないで
しょうか。

 欧州の有力な銀行のほとんどは、ギリシャ向けの巨額のエクポージャーを保
有していて、米国の銀行は欧州の銀行向けの巨額のエクスポージャーを保有し
ています。

 ギリシャが本当にデフォルトしてしまった場合は、再びリーマン破綻のとき
のような負の連鎖を覚悟する必要があります。

 世界中の投資家が、ギリシャ暴動の映像から、自分たちの甘い期待が実現す
る可能性が実はそれほど大きくないと感じ取ったとしても全く不思議ではあり
ません。

 今回の市場のパニックはそういうことではないでしょうか。
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