グローバルな金融経済の動向を、ユニークな視点を交えてお伝えいたします。

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ウォール街の利害関係者懐柔策

 ゴールドマンを筆頭とするウォール街証券会社の行状暴露は、一つの社会現
象といっても良い状況になってきました。

 ゴールドマンについては、先月SEC(米証券取引委員会)が詐欺的な行為で投
資家に値下がりが見込まれる債券を売りつけたと告発したばかりです。自分は
逆のポジションをとって大儲けをしていました。
 
 先週にはモルガン・スタンレーがほぼ同様の容疑で米検察当局の捜査を受け
ているという報道がありました。

 そして先日、今度はクオモNY州司法長官がウォール街と格付け会社の怪しげ
な関係を追及し始めました。

 今回の危機の震源地となった米国のサブプライム・ローンの証券化に際して、
ゴールドマンなどウォール街の8つの金融機関が格付会社に誤解を招く情報を
提供して、高い格付けを取得した疑いです。

 クオモ氏はさらに、これらの金融機関が格付け会社出身者を証券化商品組成
の担当者として採用して、前職の格付け会社との関係を利用して、金融機関に
有利な格付けの取得をしてきた疑いをもっているそうです。

 格付け会社の社員に限らず、ゴールドマンなどの億単位の報酬は夢のような
事なのです。
 
 ウォール街に高給で引き抜かれた格付け会社の元社員は、かつての同僚たち
に働きかけて、格付けを粉飾するのが役割です。
 
 格付け会社の社員にしても、上手い具合にウォール街の要求を満足させるこ
とができれば、今度は自分が高給で雇ってもらえるかもしれないので、非常に
強いインセンティブが働きます。

 これは、金融監督当局の担当者も同様で、ウォール街に恩を売ったり、ウォ
ール街に都合のよい方向に当局を動かす役割について「使える人間だ」と思わ
せれば、安月給の身から一転してプロ野球選手並みの報酬が得られるのです。

 プロ野球選手の場合は、その報酬にふさわしい能力があるかどうかは一目了
然ですが、証券マンの場合は一部の仕事を除いて、そんなことはほとんど判別
不能です。

 フツウの人間を高い給料で雇用すること自体は違法な行為ではないので、「雇
ってあげるかもしれない」とほのめかすことは、非常に強力な懐柔手段となり
ます。

 ウォール街の巨額の収益は、相場の先を読み取る天才的なトレーダーが揃っ
ているからではなく、あらゆる手段を使って利害関係者を手なずけて、自分に
とって有利なゲームに持ち込むことによって達成されているのです。

 ポンコツ債券を売り込む投資家についても担当者個人を懐柔する手段はいく
らでもあるでしょう。

 そう考えていくと、サブプライム危機の大きな原因が、ウォール街の巨額の
報酬にあることは間違いのないように思われます。この問題を放置すれば、ま
たいつか必ず大きな歪みを発生させ危機を生むことになるのでしょう。
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