グローバルな金融経済の動向を、ユニークな視点を交えてお伝えいたします。

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1450兆円の個人金融資産

 先日、日銀の資金循環統計(速報)が発表され、2010年3月末の個人の金融
資産は1453兆円であることが分かりました。

 個人金融資産が1400兆円とか1500兆円というのは、聞きなれた数字だと思
います。

 1400兆円台を初めて突破したのはIT株ブームに沸いていた1999年末のこと
でした。以来株価の上昇や下落に伴って、一時的に1300兆円台に落ち込んだり、
1500兆円台を突破する局面もありましたが、過去10年以上に渡っておおむね
1400兆円台を推移してきました。(過去最高は2007年6月末の1555兆円)

 言い方を変えると、10年以上ほとんど増えていないとも言えます。

 1453兆円のうち現金・預金が792兆円(約55%)、株式・出資金は103兆円で
たったの7%に過ぎません。あと大きいものでは、年金・保険準備金が393兆円
です。

 これは、米国の個人金融資産の3割以上が株で、年金や投信として間接的に
所有している分も含めると資産の半分以上が株であるのとは対照的です。

 最近はあまり聞かれなくなりましたが「貯蓄から投資へ」という掛け声にも
かかわらず、リスク資産の代表格である株式への個人の投資は全く進んでいな
かったことになるわけです。

 とはいえ、実際には個人の株式投資がある程度進んだ時期があります。2006
年1月のライブドア・ショックの前後までの国内新興株のブーム時と、2007年
夏のサブプライム・ショックの直前までは、個人の株式・出資金の資産額は現
在の倍の200兆円前後まで残高が積み上がっていました。

 今から振り返れば、金融危機は個人の株式投資にやはり大打撃だったようで
す。

 株式保有のピークである2007年6月末から、株価の底値である2009年3月
末までに、個人の株式保有額は60%も減少しています。60%の減少は株価の下落
だけでは説明がつかないので、大きな金額が株から預金等に流出したのでしょ
う。

 一方で、株式の配当利回りは個人の株離れとともに急上昇して、2009年の3
月には東証の加重平均の配当利回りは3%まで上昇しました。これは株式保有額
がピークを付けた2007年6月の3倍の利回りです。(現在の利回りは2%弱です)

 90年代末までは、10年国債の金利と、株の配当利回りでは圧倒的に国債の利
回りの方が上でした。

 現在は、株式はかなりの好利回りであるにもかかわらず、個人投資家を引き
付ける魅力に欠けているようです。

 痛い目にあった、個人の金融資産が再び株にもどるのかどうかは、企業が好
調な業績を出し続けて、株式が誰の目にも魅力的な資産クラスになるかどうか
にかかっているのでしょうか。
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