グローバルな金融経済の動向を、ユニークな視点を交えてお伝えいたします。

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中国の日本国債購入

 5月の中国からの日本国債購入額が7300億円に上ることが分かりました。今
年1月から4月までの購入額が5400億円に上ったことが話題になったのがつい
一週間ほど前のことですから、中国からの日本国債購入が急激に加速している
可能性があります。

 これは財務省の国際収支統計によるもので、「中国からの」という意味は必ず
しも中国政府に限ったものでなく、民間の投資資金なども含みます。

 中国の昨年末の外貨準備高は日本の2倍以上の2.4兆ドル(210兆円ほど)で
すから、4月までの5000億円以上の日本国債を購入したというニュースは外貨
準備のほんの一部を日本円に回しただけなのかと思い、それほど重大なことで
あるとは考えませんでした。

 しかし、5月にも7000億以上の国債を購入したとなると、何か大きな異変が
起きている可能性もあります。

 中国はこれまでもドル偏重になりがちなこと嫌い、そして恐らくドルの先行
きを懸念して、外貨準備の多様化を図っています。IMFのSDR(バスケット通貨)
建ての債券を購入したり、ユーロへの投資を増やしたりしてきました。

 5月の初旬には、ギリシャ問題でユーロが急激な下落をしています。

 ユーロの暴落は、中国にいっそうの通貨の分散をさせることの必要性を認識
させることになったことは、間違いないでしょう。

 それと、中国の日本経済に対する見方も少しポジティブになってきているの
かも知れません。

 さらに中国は、6月19日には人民元の切り上げ再開を発表しています。人民
元のドルペック制は人民銀行がドルを買い続けることで維持してきましたから、
今後はドルの購入ペースは落ちることが予想されます。

 いろいろな意味で、中国が日本国債を購入することは、少なくとも円資産が
外貨準備のある一定の割合に達するまでは不思議なことではありません。

 それが、ギリシャ問題をきっかけに始まったということなのかも知れません。

 10年で1%ちょっとしか利回りがない国債には、海外の投資家は見向きもしな
いと思っていましたが、思わぬところから買い手が現れたわけです。

 先月日銀が発表した統計によれば、3月末の国債や財投債の発行残高834兆円
対して、海外の政府や投資家が保有する分はたったの47兆円、割合でいうと5%
ちょっとに過ぎません。

 仮に中国が、数十兆単位で日本国債を買ったところで、全体の割合からすれ
ばさほど大きくないのですが、もしそうなった場合は国債市場の関係者は「い
つ中国からの巨額の売りが入って、相場が崩れるのか」ということにビクビク
することになるのでしょう。

 とにかく、何か新しい展開になることは間違いなさそうです。
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