グローバルな金融経済の動向を、ユニークな視点を交えてお伝えいたします。

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仏英の不動産価格上昇

 フランスの不動産価格が上昇しています。

 欧州経済はギリシャやスペインの財政問題などで不安定な状況が続いている
こと考えると、にわかには信じがたいことなのですが、フランスの不動産価格
は、リーマン・ショック前につけた2008年の史上最高値に迫る勢いだそうです。

 今年前半の半年間で、単位面積あたりの平均価格は8.3%も上昇し、特にパリ
では10%以上値上がりし、過去1年間では15%もの上昇幅です。

 この不動産価格の回復傾向はフランスだけの事ではなく、バブル期の日本並
みの住宅バブルの崩壊が心配された英国でも住宅価格は上昇傾向にあります。
先日発表されたハリファックス住宅価格指数は、前の月よりは少し下がったも
のの、前年比で6.3%の上昇となっています。

 ロンドンの高級住宅の価格は先月前年比20%上昇したという調査結果もあり
ます。

 スコットランド出身の歴史学者ニーアル・ファーガソン氏が2年ほど前に出
版して話題になった「マネーの進化論」では、「家ほど安全なものはない」と題
した一つの章で、不動産が英語圏諸国においていかに人気のある投資対象であ
るかを説明しています。(もちろんフランスは英語圏ではありませんが・・)

 土地も建物も「動かない」資産という安心感があり、投資をするならば不動産
に勝るものはないということが、英語圏では昔から万人が認める真理のような
状況であるというのです。

 その結果、大人であればどんなに経済オンチでも不動産の今後の見通しに関
して一家言持っているといいます。

 実はファーガソン氏自身は、このような不動産に対する信仰を、すぐに崩れ
る「トランプ札の家」に似ているのではないか、という懐疑的な意味で書いて
いるのですが、欧州ではまだまだ「動かない資産」に対する信頼は揺るいでい
ないようです。

 それに、仏英の不動産価格上昇の背景には、リーマン・ショックによって生
まれた人々の金融資産に対する根強い不信感もあるように思えます。

 金利は低いし、株式市場は乱高下が続いています。また金などの貴金属は既
に大きく値上がりしていて資産の大部分を投入するような安心感はないとすれ
ば、お金が不動産に向かうことは理解出来ないことではありません。

 ただ日本の経験からすれば、大きな経済ショックの後にあわてて不動産を買
う必要はなかったとういう歴史の教訓もあります。

 さて、これから展開は、日本の崩壊した「不動産神話」が数十年ぶりに復活
するような日が来るのか、それとも欧州の不動産神話が完全に崩壊することに
なるのか、なかなか興味深いところです。
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