グローバルな金融経済の動向を、ユニークな視点を交えてお伝えいたします。

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中国の不良債権化懸念

 先日、英FT紙は中国の金融機関が地方政府に融資している7.7兆元(約100
兆円)の融資の5分の1以上が深刻なデフォルト・リスクに直面しているとい
う、中国政府関係者の発言を報道しています。

 これが本当であるとすれば、ざっと20兆円以上の不良債権のリスクがあるこ
とになります。

 中国の地方政府が、無謀(または無意味)なプロジェクト開発に資金をつぎ
込んでいるという事に関する断片的な報道は、これまでもいろいろ見ましたが、
不良債権の全体像に関する数字は初めてです。

 懸念される融資のほとんどはインフラ投資に関わる融資です。

 2年前の金融危機発生後、中国政府は景気刺激策として、銀行融資を急激に増
やして、地方の公共事業を押し進めてきました。

 中央政府が、金をじゃんじゃん使えというお達しを出せば、ロクに計画も練
らずにそれを実施してしまうことは、ありそうな話です。

 今年に入ってからはそれらの融資の不良債権化が心配され始め、中国当局は
新規の融資拡大に急ブレーキをかけて来ました。

 懸念された事態が少しずつ表面化しはじめてきたわけです。格付け会社S&P
は中国の地方政府のプロジェクトの3割が、回収不能であると推定しているそ
うです。

 FT紙は、さらに懸念されることに、金融機関への取締強化の結果、不良債権
を規制の弱い会社に移して隠す動きがあることも指摘しています。

 中国の銀行といえば、90年代後半から5,6年前までにも恒常的な不良債権問
題が指摘され続けましたが、少なくともそれを表面的には処理をしてきました。

 とはいえ、バブル期の不良債権を日本の金融機関が処理した額が、総額100
兆円以上と言われていますから、今回の中国の不良債権問題は、まださほど心
配する必要はないという説もあります。

 巨額な不良債権が発生していることは、ほとんど疑う余地がないことですが、
それが中国経済全体、ひいては世界経済を大きく揺るがす事態にまで発展する
のかどうかは、なかなか判断が難しいところです。
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