グローバルな金融経済の動向を、ユニークな視点を交えてお伝えいたします。

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教師のクビを切る米国の自治体

 米国の地方自治体の財政問題における不美人コンテストでは、1年ほど前まで
のカリフォルニア州優勢という評価から、最近はイリノイ州が先頭を走る状況
に変化しているようです。

 イリノイ州では、先月、米国債に3.25%ほどのリスクプレミアムを上乗せして、
ビルド・アメリカン・ボンド(BAB)と呼ばれる債券を発行したことで話題にな
っています。BABは、国や州政府や長期的なインフラ投資などを行うための資金
調達を、政府が通常の地方債発行よりも大きな補助を行うことでサポートする
プログラムで、昨年制度が出来たものです。
 
 さて、先日の英FTは、イリノイ州が、とうとう教育費にまで大ナタを振って
公立の学校の教師数を22%も削減する計画だと報道しています。
 
 学校の先生をクビにするということが、どういうことを意味するのか日本で
は分かり難いかもしれませんが、NHKは「アメリカ・カリフォルニア ピンクス
リップの恐怖」というドキュメンタリーをBSで放送しています。
 
 「ピンクスリップ」とは、ピンク色をした解雇通知のことで、これがある日
突然送られてくるというのです。
 
 カリフォルニアの例では、解雇の対象となるのは、勤続期間が2年以下で専
門科目の資格を持たない教師で、そういうカテゴリーに当てはまれば、子供た
ちから信頼されている先生であっても問答無用に「ピンクスリップ」が送り付
けられます。
 
 教師が突然大量にいなくなった学校では、大人数の教室に変更され、授業時
間も削減され、大人達の理不尽な行動を目の当たりにした子供達の心は荒びま
す。
 
 カリフォルニアでは、住民が増税に抵抗しているために、昨年とうとう教育
費に手がつけられたのですが、その結果公立学校が崩壊状態になっても、富裕
層の子供達は私立学校にシフトするだけなので、金持ちの間では社会問題にな
りません。

 イリノイ州の場合、財政を圧迫しているのは、気前の良い支払い約束をする
公的年金のようですが、社会全体にお金がないわけではないのに、政府はお金
のある人から増税をしたり公的サービスを削減したりすることは難しいようで
す。

 国や地方自治体の財政がいかに悪くても「増税はイヤ」という現象は、日本
でも先般の参議院選挙で観察されました。

 「デフレ」については、日本が先進国共通の病気の「さきがけ」になりまし
たが、「財政問題の末路」という意味では、米国の地方自治体が「さきがけ」で
あるかも知れません。その意味で、今後の展開が大いに注目されます。
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