グローバルな金融経済の動向を、ユニークな視点を交えてお伝えいたします。

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

ヘッジ・ファンド業界は衰退に向かうのか?

 最近、ヘッジ・ファンド業界の元気のなさが、いろいろなところで話題にな
っています。

 ヘッジ・ファンド業界の成績は、リーマン・ショックがあった2008年が業界
全体でマイナス19%(HFリサーチ社の統計)と散々であったものの、昨年はパ
ニック相場の揺り戻しで、2008年にやられた半分以上を取り戻しました。

 しかし今年に入ると、ゼロ近辺を行ったり来たりしているだけで、ほとんど
動く気配はありません。

  先月の半ばに、かつてジョージ・ソロス氏の右腕として活躍した著名投資
家スタンレー・ドラッケンミラー氏が、最近の自身のファンドのパフォーマン
スに「満足出来ない」として引退を表明しました。

 企業の目先の業績の割には、株式市場の出来高が少なく冴えない動きを続け
ているのも、低調なヘッジ・ファンドの活動に一因があるのではという解釈も
あります。

 市場に活力が失われると、収益を上げるチャンスが減り、そうすると更に個々
のファンドの活動が鈍り、ファンドによってはあきらめてファンド自体を閉鎖
してしまうという動きにさえつながります。今は、このような悪循環で、市場
の活動まで鈍るという更なる悪循環に入っているように見えます。

 先日の英FT紙は、このような市場環境を招いたのはヘッジ・ファンド自身で
あるかもしれないと思わせる記事を書いています。過去10年間にIT技術を駆
使してコンピュータが自動的に取引を執行するアルゴリズム取引が膨張した結
果、例えば株と債券の相関が増して、相関係数は3倍以上に増えたそうです。
 
 アルゴリズム取引で相場の動き方が変わると、伝統的なアプローチで取引し
ていたトレーダーはそれに対処することが難しくなり、ドラッケンミラー氏の
ように、ついには店のシャッターを閉めるところも出てくるというのです。
 
 英エコノミスト誌では、規制強化の動きが、ヘッジ・ファンドの行動を制約
し伝統的なファンドとの違いが小さくなってきていると書いています。
 
 規制の結果、小さなファンドの経営は困難になる一方で、大きなファンドも
慎重な運用姿勢となり「大きくなったが、安全で退屈な」(エコノミスト誌のコ
ラムの題名)運用をするようになって来ているからです。

 ヘッジ・ファンド業界は、かつて年率10%程度の利益を目標にしていましたが、
それが15%、20%と目標を引き上げることによって、大きく成長してきました。

 最近の市場環境や当局からの規制によって、「20%の目標利益」という旗を掲
げ続けることが難しくなったのであれば、これまでヘッジ・ファンドをヘッジ・
ファンドたらしめてきたアイデンティティが失われることになるのは間違いな
さそうです。
スポンサーサイト
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。