グローバルな金融経済の動向を、ユニークな視点を交えてお伝えいたします。

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振興銀行破綻の意味すること

金曜日の、振興銀行破綻のニュースには驚きました。

 破綻すること自体は、破綻した商工ローン大手SFCGから買い取った貸出債権
の二重譲渡問題や、5月の木村剛前会長の逮捕などという状況から事前に十分予
想されたことですが、問題は債務超過の額です。

 預金量が6,000億円弱、資本金124億円の銀行が、6月末決算で突然1,870億
円の債務超過に陥ったというのですから、貸出のほとんどが不良債権化してい
たことになります。

 SFCGから購入したローンは700億円と報道されていますから、今回明らかに
なった債務超過の規模は、SFCG問題があろうとなかろうと、もともと不良債権
だらけだったことが分かります。

 木村前会長の逮捕は、昨年6月から9カ月間に及んだ異例の長さの金融庁検
査に対する検査妨害の容疑ということですから、今回突然、不良資産の償却(?)
をして巨額の損失を計上したということは、これまでの決算で実質的に大規模
な粉飾が組織的に行われていた可能性が高そうです。(このことは、今後次第に
明らかになっていくことでしょう)

 振興銀行問題でさらに驚かされるのは、木村前会長の経歴と人物です。2002
年に当時の竹中金融担当相が招集した金融庁金融分野緊急対応プロジェクト・
チームに参加し、その後振興銀行の予備免許を申請するまで、金融庁顧問とい
うポジションにいました。

 金融庁顧問という立場でありながら、振興銀行設立を推進し、巨額なコンサ
ルタント料までもらっていたと報道されていますから、これはどう見ても「利
益相反」状態です。

 櫻井はこれまで、木村氏の著作に関心をもったことはなかったのですが、こ
の頃の木村氏は日本の金融機関を厳しく糾弾し、「小説ペイオフ」や不良債権問
題に関連する「粉飾答弁」、「新しい金融検査と内部監査」などという本を出版
しているようです。(今度読んでみます)。

 こういった木村氏の過去の言動と、今回振興銀行を舞台にして起こった出来
ごとのギャップはあまりにも大きく、同じ人間の行動とはとても信じられませ
ん。(これも、詳しいことは今後明らかになるので、現時点で断定はできません
が・・)

 日本の金融界、ひいては日本の社会全体にとって不幸なことは、このような
無残な事件が実際に起こってしまったわけで、少なくとも21世紀の最初の数年
間は、木村氏の言葉に政治家やマスコミが踊らされて、それが現実の重要な政
策として多くの人々の人生を変えた可能性があることです。

 今回の出来ごとで、明らかになったことは、現代日本社会のリーダー選別能
力に大きな問題があるということではないでしょうか。端的に言うと、われわ
れは「人を見る目がない」ということです。

 少なくとも、マスコミが作り上げた「有名人」を、安易に重要なポストに就
けてしまうという人材発掘方法は、大いに問題がありそうに思えます。

 今後数年間の日本の進む道を決める、民主党の代表選の結果が出るのは、も
うまもなくですが、見識にもモラルにも欠けるマスコミと日本全体が運命を共
にするのは、そろそろこのあたりで止めにしたいものです。
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