グローバルな金融経済の動向を、ユニークな視点を交えてお伝えいたします。

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なぜ為替介入第一撃は上手くいったのか?

 6年半ぶりの為替介入は、とりあえず最初の数日はうまくいったようです。

 英FT紙は、今回の日本政府の為替介入によって一部のヘッジ・ファンドが大
きな損失を被ったと報道しています。実名を挙げているのは、「アルゴリズム取
引」で有名な、英マン・グループのファンドなどです。

 マン・グループは、コンピュータのアルゴリズムで、市場のトレンドに追従
する「トレンド・フォロー型」の代表的なファンドとして有名です。

 トレンド・フォロー型のファンドは、トレンドがあるかどうかを人間が判断
するわけでなく、コンピュータのアルゴリズムが感知します。つまり、どうし
てそのトレンドが出来たかということには一切関係なしで、とにかく市場にト
レンドが生まれた時にその流れに乗るという戦略なのです。

 円の為替相場については6月初旬から先週の介入まで、明確なトレンドがあ
って対ドルでは10円以上も円高が進みました。こういったケースでは、トレン
ド・フォロー型のファンドにとっては絶好の稼ぎ時であり、マン・グループな
どはこのトレンドに乗って円買いのポジションを膨らませて来たと思われます。

 今回、6月からの円高トレンドが、日本政府の介入によって、突然崩れた為に、
トレンド・フォロー型のファンドは、これまでの貯めて来た利益を大きく吐き
出すことになったのです。

 こうして見ると、6年半ぶりの介入が、意外に上手くいったように見えるのは、
久しぶりの介入によるサプライズ効果とともに、市場参加者のなかに、トレン
ド・フォロー型のファンドの存在感が増したことも一因であるのかもしれませ
ん。

 介入をきっかけに始まった円安傾向が、もしもうしばらく続くのであれば、
トレンド・フォロー型のファンドは円買いポジションから円安ポジションに転
換する可能性もあります。こういったファンドの存在は、一旦トレンドが発生
した場合はそのトレンドを一層強める効果があるのです。

 そうなった場合、この6年半ぶりの為替介入は、予想外の大きな効果をもた
らす可能性はゼロではありません。

 ただし、絶対にしてはいけないことは、今回もし偶然に予想外の円安トレン
ドになったとしても「国が為替相場をコントロール出来る」と勘違いをしてし
まうことです。

 介入第一撃が予想外に効果があったのは、単なる偶然であって、日本政府の
「英知」が要因ではないからです。

 逆に、もし第一撃の介入効果が早期に剥落して、再び円高トレンドに戻って
しまった場合は、二回目以降の介入を行ってもサプライズ効果は薄く、もはや
トレンドを変えることは出来ないでしょう。その場合に介入を続けると「泥沼
化」するのが目に見えています。

  いずれにしても、為替の介入は、上手くいった最初の一回限りにするのが
賢明であると思われます。
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