グローバルな金融経済の動向を、ユニークな視点を交えてお伝えいたします。

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ワールドカップ後の南アフリカ

 サッカー・ワールドカップの決勝が行われたのは、今から2カ月ちょっと前
の事ですが、随分昔の出来事のような気がします。

 大会の予想以上の成功という陶酔感のなかで、南アの経済も前途洋々である
かのような期待が浮かびかけましたが、現実はそれほど甘いものではありませ
んでした。実際には、大会開催によって押さえられていた南アの潜在的な問題
が、次々に爆発するような展開になっています。

 移民に職を奪われた(と思っている)人々による移民襲撃の再開や、公務員
のストライキはある程度予想されていた事態ではありますが、病院職員のスト
ライキによって、出産に対応してもらえなかった新生児や、必要な治療が受け
られなかった患者が亡くなるようなケースまで出てきているようです。

 産業界でストライキの影響を強く受けているのは自動車業界で、トヨタやフ
ォルクスワーゲン、GMといったメーカーは、ストによる操業停止に見舞われ10%
の賃上げ案を示していますが、南アの労働者たちはまだ必ずしも満足していな
いようです

 英FT紙は「こんなペースで賃上げが続くならば、長い目で見れば南アでの自
動車生産は難しくなるかもしれない」という業界関係者の声を紹介しています。

 また最近南ア政府は資源大手アングロ・アメリカ社や英国のプラチナ採掘の
ロンミン社などの鉱山資源会社の採掘権の一部をはく奪する一方で、黒人政権
の親族会社には採掘権が与えられていたことが判明するなど、権益に対する不
透明性が高まってきているようです。

 ストや、移民襲撃の背景には、国全体では順調な経済成長を続けている一方
で、腐敗体質もあって富が一部の人々にしか行き渡らないという不満が、根底
にあるようです。最近の鉱山権益の問題も、「政治腐敗」の悪化を示すものでな
ければ良いのですが。

 さて、先日、南アの準備銀行は、政策金利を6.5%から6.0%に引き下げました。
ストによる賃上げ圧力はあるものの、目先の物価が想定以上に落ち着いている
ことが利下げの理由です。

 また、鉱業や自動車産業は困難に直面しているものの、中産階級層の拡大に
伴って小売産業などは好調な業績が続いているなど、経済の明るい側面もあり
ます。

 「虹の国」南アが本当に「虹色の未来」を実現していくのかどうか、今後数
年間の歩みが非常に重要であるような気がします。
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