グローバルな金融経済の動向を、ユニークな視点を交えてお伝えいたします。

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ギリシャの現状は日本の若者の未来?

 ギリシャ問題で経営破たんしたデクシア銀行は、日本ではあまり知られていませんでしたが、サブプライム・ショック以前は十分な資本と良質な資産を保有する、非常に優良な銀行であると思われていました。

 ベルギー・フランス系銀行のデクシアは、国や地方自治体、それに公的機関などのローンや債券を保有するのがその役割であり、5年ほど前には、そうした資産は事業法人に対する融資と違って、リスクは極めて限定的であると多くの人達が考えていたからです。

 しかし、サブプライム・ショックが起きたことから状況は一変します。デクシアは本体だけでなく、米国に保有する金融保証保険会社(モノライン)を通じてサブプライム関連の資産を大量に保有したことが発覚したからです。

このサブプライム・ショックに端を発した金融危機が2年前にドバイ・ショックへ、さらにギリシャ問題に飛び火して、欧州の周縁国の債券の価格が大幅に下落を始めたときには、すでにデクシアは実態的にはかなりまずい状況に陥っていたと思われます。

もともと、国や政府機関(ソブリン)部門のリスクをとるというビジネス・モデルであったわけですから、欧州のソブリン危機の拡大の影響に直撃されることは、ほとんど自明のことであったと言えます。

しかしながら、その実態は、トレーディング勘定ではきちんと評価するもの、銀行勘定でもつ債券の時価評価を回避するという、欧州の金融当局がとった方法によって、しばらくのあいだは隠され続けることになります。実際のところ、7月にEU内90行に対して行われたストレス・テストにデクシアは余裕で合格しています。その時点で不合格だったのは8行だけでした。

 どうも欧州の金融当局は、金融機関の危機が拡大することを避けるために、何度も「ストレス・テスト」と称して、はじめから破綻させても世の中にインパクトの少ない金融機関を決めて、それらだけが不合格になるようなテストを行っていたのではないかと言う疑念が湧きます。

 デクシアの経緯をみていると、筆者は1998年に破綻した長銀のことを思い浮かべずにはいられません。長銀もデクシアも、政府の強い肩入れのもとで
普通の銀行とは違うビジネス・モデルを持っていました。
 
どちらも長い間大変に優良な銀行であると信じられていましたが、時代の潮流のなかで手を出した不動産関連のビジネスでつまずき、その後当局が事実上の破綻を隠そうとしましたが、ついに隠しきれなくなって破綻したという運命が、とても似ているように思えるからです。

 バブル崩壊後、日本の当局の問題先送り体質が世界的に非難されました。しかし、こうして見ていくと、官僚や政治家の抜本的な対処能力の欠如は日本だけに限らないようです。

 役人や政治家は基本的には、その時々の自分の置かれた環境のなかで、「現実的」に選択可能な選択肢しか選べないのです。現実的な選択肢のなかから最良の方法を選ぼうとするのは、一握りの良心的な人達だけで、多くの役人や政治家は、選択可能で「自分自身にとって」一番利益のある方法を選ぼうとします。

 はじめから結論ありきの手続きで、自分の利益になる政策を選択する手法は原発行政のなかでも日常茶飯事であったことが次々と明らかになってきています。

 日本や欧州はそうであっても、アメリカは違うという声も聞こえそうですが、決してそんなことはありません。リーマン・ショック後の対応も、対応可能な部分に手を付けただけで、問題の規模が大き過ぎる不動産融資はほとんど手つかずで先送りされているように見えます。

 さて、前置きが非常に長くなってしまったのですが、今回言いたかったことは実は日本の年金問題です。少し前に日本の年金受給開始年齢を70歳まで延長する案を厚労省が出したと報道されています。

 日本の年金制度は、危機発生前のギリシャ政府と同様で、団塊の世代までは永続性のない制度の上で先にお金を浪費している状態です。今、ギリシャで起こっている緊縮財政や暴動は、ほとんど確実に日本の若い世代にふりかかってくるでしょう。

 少し長くなってしまったので、続きはまた後日書くことにします。
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