グローバルな金融経済の動向を、ユニークな視点を交えてお伝えいたします。

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世界規模の金融バブル崩壊現象

 皆様お久しぶりです。本日からブログ復活です。

 筆者にしては珍しく、メルマガを書いている時間もないほど忙しかった夏が過ぎ、最近は少し余裕が出て来ましたが、気がついてみると世の中が大きく動いていました。

筆者が本業で忙しかった理由は、国内外の金融機関が、目先の業績改善のためにまた、担当者が巨額のボーナス獲得に目が眩み暴走して引き起こした事件を検証するような仕事を、なぜか立て続けに依頼されたからです。

そのような事件の検証作業を続けて強く感じたことは、リーマンショック前の数年間の金融界は、目の前にぶら下がったボーナスというニンジンに食らいつく為には、相当ひどいデタラメもためらわなかった人達が、地球上のあちこちに現れた時代であったということです。

もちろん金融界の大多数の方々はそうした不届き行為に直接的に関与しているわけではないのでしょうが。しかしながら、個々の具体的な事例を見ていくと、カネ中心で何でもありの病気がここまでひどい症状を引き起こすのかと驚かされます。

サブプライム住宅ローンの証券化に対するデタラメなどは、金融危機の引き金を引いたのと、規模が大きかったことから、その具体的な手口が本や報道で広く暴露されました。しかし、サブプライム・ローンの問題はそうした時流のなかで、たまたま世間に広く知られることになった現象の一つに過ぎず、他にも表面化しない無数の事例があるのでしょう。

先月中旬、全国銀行協会の永易会長(三菱東京UFJ銀行頭取)は金融ADR(紛争解決制度)の和解あっせん手続きの申立件数が今年4~6月は115件に達したことを明らかにしたと報道されています。金融ADRは、金融商品の販売などに関するトラブルを裁判外で対処するためにちょうど1年前にスタートした制度です。

 大手を中心とする国内のいくつかの銀行は、リーマンショック前の時期を中心にかなりリスクの高い為替デリバティブ取引を、銀行にとって非常に有利な条件で取引先の中小企業などに販売し大きな社会問題になっています。
 こうした背景からADRの申請件数が、制度発足後急増を続けているのです。

 国内の金融機関でもこのような暴走があったわけですが、日本の金融機関の場合は個人のボーナス獲得というよりは、組織全体の業績改善に対する焦りが、常識的な感覚を鈍らせてしまったのでしょう。

 それにくらべると、個人の業績がそのままダイレクトに個人のボーナスに反映される海外の金融機関のデタラメは国内の金融機関とはけた違いであったのかもしれません。ウォール街の金融機関は、最近洪水のような訴訟に見舞われていますが、先月米住宅金融局(FHFA)が17の金融機関対して2,000億ドル(約15兆円)の住宅ローン担保証券に関する訴訟を起こして、その訴訟規模に対するどよめきを生みました。

 筆者はこの訴訟の明細に関する知識はなく、これから訴訟がどういう展開になるのか全く見当もつきませんが、少なくともこうした規模のデタラメがどこかで本当に行われていても全く不思議でない時流に、数年前のウォール街があったことは疑っていません。

数週間前にウォール街で始まったデモは日に日に規模を拡大し、著名な投資家ソロス氏までが、この抗議運動に理解を示していると伝えられています。

 今年の夏以降、ロンドン、アテネで起きている暴動は、ウォール街に対するデモのように金融界をターゲットにしたものではありませんが、現在の欧州の厳しい経済的混乱の遠因をつくるのに金融のレバレッジ機能が大きな役割を果たしたことは否定できないし、それはデモに参加している多くの人々が感じていることでもあるでしょう。

 筆者自身も長年、金融市場やデリバティブに関連する仕事で生きて来ました。こうした金融の役割は社会にとって必要で役に立つ機能であるとは信じていますが、金融はしばしば暴走し、社会に甚大な影響を与えてしまうようです。

 どうしたら、金融市場やデリバティブ商品がこのような負の側面を弱めて、社会に本当に定着させることが出来るのか。これは、金融界の課題でもあり、筆者自身の課題でもあります。
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