グローバルな金融経済の動向を、ユニークな視点を交えてお伝えいたします。

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フランスの若者達の反乱

 年金支給開始年齢を60歳から62歳に引き上げる案などの年金制度改革に反
対するストが、フランス全土で拡大しています。先週はその数が350万人とい
った報道までありました。

 年金支給年齢引き上げ案に対するデモというと、退職が視野に入っている年
齢の人々の問題と想像してしまいますが、実際にはそういった世代の人達に混
じって多数の高校生や大学生など非常に若い世代がデモに積極的に参加してい
ます。

 デモに参加する高校生の数は半端なものではなく、フランス全土で数万人の
高校生がデモに参加し、数百の高校で校門閉鎖などの措置が取られたそうです。
先週末には、高校生と警官隊が衝突し、一人の高校生が重症を負うような事態
にまで発展しました。

  盾をもった警官隊と高校生が衝突する映像は、まるで日本の60年代の安保
闘争の時の映像のようです。

  若者たちの懸念は、今でも25歳以下の若者の失業率が25%近くにまで上が
っているのに、高齢者の退職年齢が上昇すれば、若者に回ってくる仕事がさら
に少なくなることです。さらに、自分たちがリタイアする頃までに定年が何歳
にまで引き上がっているのか分からないという心配もあります。

 実は、フランスの若者が反乱を起こすのは今回が初めての事ではなく、4年前
にも、政府が26歳以下の若者に雇用後最初の2年間は自由に解雇出来る雇用制
度変更を試みましたが、若者達の猛烈な反対にあってとん挫したという経緯が
あります。

 数十年前に作られた主要国の年金制度は、長寿化や少子化、それに運用利回
りの低下などで、設定当初の見込が大きく外れて事実上の破綻が視野に入って
きています。そして、どこの国でも、既得権者である中高年層の権利を奪うこ
とは難しく、若者にこの制度破綻のツケを押し付けようとしています。

 日本でも、若年層の失業率は、全体の2倍近い水準まで上昇し、彼らがリタ
イアする頃には年金や医療保険制度が破綻することは十二分に想定できるよう
な状況になってきています。

 しかしながら、いまのところ日本の若者は、フランスの若者のような「実力
行使」という手段を使って自分たちの利益をアピールするという事態にまでは
至っていません。

 ただし、現在進行中の世代間格差拡大の流れが逆転する見込みは、今のとこ
ろ全くなく、やがては世代間闘争が激化するのは必至の情勢のように思われま
す。

 特に過激な行動を煽るつもりもないのですが、若者が「割を食わされている」
ことを、デモなどによって自分の親たちの世代に伝えることも、実は大事な事
かも知れないという気がします。そうでなければ、恵まれた世代の人々は、い
つまでたっても自分たちが恵まれていることに気がつかないかもしれません。

 世の中には、もともと恵まれた人々がさらに過剰な権益を主張する身勝手な
デモやストも存在します。しかし、今の若者たちが、自分たちの世代に負担ば
かり押し付ける親たちの世代にちょっとした反乱を起こしたとしても、それは
十分な理由があるように思えます。

 フランスの高校生の反乱を見て、そんな風に感じました。
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