グローバルな金融経済の動向を、ユニークな視点を交えてお伝えいたします。

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量的緩和は何のため?

 来る11月2日、3日に行われる、米国の金融政策を決定する会議であるFOMC
でQE2と呼ばれる追加的な緩和措置が取られるどうかが注目されています。

 QE2とは、「Quantitative Easing 2」(量的緩和第2段)のことですが、英国
ではQE2というと普通はエリザベス女王(Queen Elizabeth 2)のことを指し、
劇場などあちこちで「QE2」のマークを見かけます。おそらく、この女王の略名
に引っ掛けて量的緩和に使われるようになったのでしょう。

 第2弾の政策がささやかれるということは、第1弾がどこかにあったことに
なります。それは、リーマン・ショック後の混乱がまだ冷めやらぬ昨年3月の
ことで、このときFRB(米国の中央銀行)は8500億ドルのモーゲージ債の追加
購入に加えて、初めて長期国債の買い入れ(3000億ドル)実施に踏み切りまし
た。あわせて1兆ドル以上の思い切った金額でした。

 来月に実施が見込まれるQE2では、長期国債の買い入れ額をさらに増額する
ことや、場合によってはインフレ・ターゲット的な政策が導入されるという見
方もあります。

 世界の中央銀行の動きとしては、追加政策の政治的プレシャーを受けた日銀
が先月発表した追加緩和策が、意表を突くほど思い切った内容となり、かなり
長期にわたって利上げを行わないことを明らかにしました。

 これまで日銀の無策でデフレを放置してきたと(暗に)バカにしてしたバー
ナンキ議長としては、自国がデフレ的な状況からなかなか脱却できず、雇用が
いつまでたっても改善しないという状況であることから、ここで何とかカッコ
いいところを見せなければならないというプレッシャーがあるのでしょう。
 
 しかし、日銀が実施した政策や、FRBがこれから行うかもしれない政策が、実
体経済にどれほど大きな影響を与えられるのかについては、かなりの疑問があ
ります。
 
 これらの政策は中長期の国債金利を引き下げるという効果は確実にあります
が、もともとかなり低い金利をさらにもう少し押し下げたところで、いったい
何の意味があるのか?という疑問です。

 少し前にバーナンキ議長がQE2を検討していることを示唆したことによって、
ドルの金利が下がってドル安となり、「通貨戦争」と呼ばれる事態が発生しまし
た。

 日銀の政策にしても、金利が下がればそれによって貸出金利は若干下がると
いうメリットはありますが、同時にわれわれの定期預金の金利は消滅し、国債
購入に運用を頼っている機関投資家は大変な運用難になるというデメリットも
あります。(前回の量的緩和の時も言われたことですが・・・)

 バーナンキ議長は、今年7月に、経済状況は「異例なほど不透明」と発言し
て話題になりました。この発言、見方を変えればFRBが現在の経済状況を把握
しかねていて、そのレーダーは曇っているということです。

 そのような視界不良の状況で、どれほどの効果があるのかわからない政策を、
とりあえずのパフォーマンスとして、一か八かでやってみようというのが、来
月実施されるかもしれないQE2の実態かもしれません。

 少しまえに、WSJ氏は、QE2を豪華客船クイーン・エリザベス2世号にひっか
けて、「酔っ払った船員たちが舵を取る豪華客船になりかねない」と書きました
が、これはなかなか的を得た表現かも知れません。
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