グローバルな金融経済の動向を、ユニークな視点を交えてお伝えいたします。

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エジプトのムバラク大統領: 選挙で圧倒的な得票率なのに国民から圧倒的な反感

 チュニジアの革命から数週間たらずで、30年間エジプトを支配したムバラク大統領の地位も風前の灯になってきたようです。
 これまでムバラク大統領は過去の選挙では圧倒的な得票率で改選を続け、ついこの間までは、次回選挙でその息子が世襲するものと思われていました。2005年に行われた前回の大統領選挙は、初めて対立候補が出馬した選挙になったにもかかわらず88%という高得票率でした。
 
 これだけ得票率が高いと、事情を知らない海外の人間はムバラク氏が国民から愛されていると勘違いしてしまう可能性がありますが、今回多くのエジプト国民が暴動を起こしているのは、一刻も早くムバラク政権が倒れて、誰でもよいから別の人物が政権を担ってほしいと思っているからです。
 選挙の高得票率は、有力な政敵を監獄に送り込むことや、不正選挙の結果であり、本当の国民の心は全く逆であったということです。

 こうした、形だけの民主主義やいろいろな方法による選挙やマスコミの操作というのは、程度の差こそあれ新興国に限らないことで、米国や日本でも他人ごととは言えない部分があります。

 ちなみに、かつてナセル、サダト両大統領時代には反米的なアラブ世界のリーダーであったエジプトは、親米のムバラク政権になって、米国から巨額の経済支援(最近は年間20億ドル:2千億円弱)を得るようになりました。こうして、政権には国外には大きな敵がなくなり金も手に入ったことで、30年もの長期に渡る独裁的統治となったのです。

 その間、米国からの支援金によって独裁者たちがとめどもない金持ちになる一方で、一部の資金は国民の弾圧にさえ使われていた可能性があり、肝心の国民は全く幸福ではなかったようです。(そういえば、昨年NHKで「ゴミの都」カイロを扱ったドキュメンタリー番組がありました)今回の暴動の激しさはそれを物語っています。

 米国にとって都合のよい政権は、必ずしも国民にとってよい政権であるとは限らず、今回の事態は、かつてイスラム圏きっての親米国家であったイランの辿った道を思い起こさせます。

 チュニジアで立ち上った火の粉は、イエメンやヨルダンなど中東の他の親米独裁政権も揺るがし始めています。こうした事態の影響はやがて中東以外にも飛び火するかも知れません。もしかすると混乱の物語はまだまだ始まったばかりなのかもしれません。


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