グローバルな金融経済の動向を、ユニークな視点を交えてお伝えいたします。

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ブラジル経済アップデート

 1月1日、ブラジルで初めて女性として大統領選挙に勝利したジルマ・ルセフ氏が就任しました。ブラジル経済は、かつてない好調さを維持していて、昨年の成長率は8%近くになったと見込まれています。

ブラジル経済は、BRICs諸国の中では輸出に対する依存が低く、輸出はGDPの10%程度ですが、拡大する中産階級を中心とした堅調な個人消費などの内需が成長をけん引しているのです。

 コーヒー豆の市況が13年ぶりの高値を付けて話題を呼んでいますが、これまでブラジル産のコーヒーはほとんど輸出用であったのが、最近はブラジル国内での消費が急増している事なども影響しているようです。

内需拡大によって輸入が前年比二桁の伸びとなっても、商品価格の高止まりなどによって輸出も順調に伸びており、なんとか貿易黒字を維持しています。

その結果、かつてはブラジルの治療不能の持病と思われていた経常赤字も抑制された水準を維持しており、現在GDPの2%程度です。

  インフレ率は5%台ですが、政策金利はかつてのインフレ体質に戻る懸念などから現在10.75%もあり、更に引き上げられる見込みです。好調な経済と高い政策金利、それに抑制された経常赤字という好ましい環境に引き寄せられ、日本の個人投資家などからの大量の投資資金が流入しています。日本の個人のブラジルの金融商品に対する投資額は累計で6兆円を超えるそうです。
ブラジル政策金利
ブラジルの政策金利:ブルームバーグより

 このような資金流入の結果、ブラジル・レアルの相場も堅調に推移していて、現在世界で最も強い通貨の一つである円に対しても、2009年大幅に上昇したあと、昨年一年間1レアル50円前後で比較的安定して推移しています 

 このような良好な経済状況ですが、ルセフ新大統領は、レアルが強くなり過ぎることの抑制や、5%以上あって他の主要国に比べて高い実質金利(インフレ率調整後の金利)を2%程度まで引き下げることに言及するなど、浮かれていない様子です。

 そして、早速就任直後の先週、「レアル高を容認しない」として、ブラジル国内の金融機関による投機的なレアル買の抑制策を打ち出しました。最近ブラジル国内の銀行は、ドル売り(ドル・キャリー)ポジションを急激に積み増して、ポジションの総額が168億ドルにも達したそうですが、今後はそういった投機的なポジションに対して60%の準備預金を積むことを義務付けるというのです。

 今回の政策は短期的なレアル投機には打撃を与えるかも知れませんが、長期的な視点では過度なスペキュレーションを抑制するという意味では、歓迎すべきものであり、ブラジルの投信を長期投資として買っている個人には逆に朗報といえるのかもしれません。

 先日、日産自動車はデトロイトのモーターショー参加を取りやめて、新興国のモーターショーに重点を置くと発表しました。世界の自動車販売のなかでBRICs諸国のシェアは35%程度に達していて、今後はさらにその割合が増加する見込みです。

 好調なBRICsのなかでも中国にはいろいろ心配なことが多いのですが、ブラジルのような国の存在によって、世界経済全体への懸念は幾分和らげられそうに思えます。

ブラジルの大統領選挙
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