グローバルな金融経済の動向を、ユニークな視点を交えてお伝えいたします。

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中東のオイルマネーは何処に行く?

 動乱が続くリビアの映像から垣間見えるリビアの都市の暮らしぶりは、先日まで動乱が続いていたエジプトのそれとさして違いがないように見えます。

 しかしながら、リビアとエジプトの経済規模の統計を比較してみると驚かされます。人口はエジプト7千5百万人に対し、リビアはたったの6百万人でエジプトの1/12に過ぎません。それに対してリビアのGDPはエジプトの55%もあり、経済規模はさして違いが無いのです。

 リビアの一人当たりGDPは1万4千ドル強(2008年)で原油を産出しないエジプトの7倍あり、金持ちのイメージが強いサウジの3/4もあります。

 リビアは、人口が少なく原油産出量が多い(世界第12位)という意味では、本来エジプトよりはむしろ金ピカの街ドバイで有名なUAEに近いはずなのです。(一人当たりの産油量ではUAEの4割強)。しかし、街並みを垣間見る限りは、ドバイとトリポリには大きな違いがあります。

 実際、リビアの外貨準備は1,400億ドル(11兆円超)と言われますが、これは一人あたり2万3千ドルで、一人当たりでは日本の3倍近い巨額な金額です。

 リビア政府(すなわちカダフィ一族)は巨額な資産を海外に持ち、米国はリビア政府関係の海外資産300億ドルを凍結したと発表、英国も推定300億ユーロ(約410億ドル)の資産、さらにスイスやオーストリアも資産凍結に動いています。

 トリポリの街並みがドバイと違うのは、この辺に事情があるようです。原油輸出で稼いだ外貨のほとんどを、独裁者が海外資産や外貨準備という形で保有し、さらに一人1日場合によっては何万ドルもする傭兵や美女達を雇うことに費やされて、自国の経済の発展のためにはほとんど使われてこなかったということなのでしょう。

 リビアは極端なケースなのかも知れませんが、中東のオイルマネーが一部の特権階級の(事実上の)個人資産として海外の金融資産や秘密口座、さらには不動産に流れてきたことは、程度の差こそあれ各国共通の事です。

 さて、今回の一連の中東の動乱の結果どうなるかはまだまだ不透明なのでしょうが、国民が自分たちの権利に目覚めたとすれば、一部の特権階級の資産として海外に流失し続けてきたお金の流れには大きな変調が起きるのではないでしょうか。

 実際、サウジやバーレーン政府は国民の歓心を買うために必死のバラマキ政策に乗り出し始めました。こうした動きは一時的なものでは済まないでしょう。

 そうであるとすれば、中長期的には、中東のオイルマネーは海外の金融・不動産市場などマネーゲームの場に流れるのではなく、むしろ国内のインフラ整備など、モノを中心に流れるようになるのかもしれません。

 少し気が早いかもしれませんが、これは国際金融市場にとっても、商品市場にとっても大きな変化になるのかもしれません。つまり、金融市場からオイルマネーが引き上げられて、個人消費や社会インフラ整備に回るということです。

 いずれにしても、虐げられていた人々の生活水準は改善し、食糧や商品などに対する需要はますます高まっていくのではないでしょうか。
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