グローバルな金融経済の動向を、ユニークな視点を交えてお伝えいたします。

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

ヘッジファンドのインサイダー取引疑惑

北朝鮮が韓国の島を砲撃した日の夜、米国時間では株が大きく下落しましたが、その原因は、この砲撃ではなく、複数の高名な大手のヘッジファンドを巻き込んだインサイダー取引疑惑が浮上したからです。

 投資家に情報を提供する「エキスパート・ネットワーク会社」と呼ばれる業界に対して米国SEC(証券取引委員会)が3年間に渡って続けて来た調査が最終局面を迎え、いよいよ大手ヘッジファンドにFBIなどの直接捜査が入るというステージに来たというのです。

 捜査を受けたり事情を聴取されたりしているファンドは、大手のSACキャピタル・アドバイザーと、SACの元運用担当者が設立したファンド、さらにシタデルの旗艦ファンドの一つであるウェリントン・マネジメントの名前も挙げられています。

 「エキスパート・ネットワーク会社」とは聞きなれない言葉ですが、ヘッジファンドなどの投資家に対して、情報提供などのコンサルタント・サービスを行う業態のことで、ここ数年急激に規模を拡大してきました。

ヘッジファンドの儲けに役立つような情報を提供するわけですが、その情報は公開されている情報だけでなく、非公開のものも多く含まれ、ある意味ではもともとインサイダーすれすれの際どい商売であったのかもしれません

今回の捜査で 先週現在実際にFBIに逮捕されたのは、カリフォルニア州のプライマリー・グローバル・グループというエキスパート・ネットワーク会社の台湾系の幹部一人ですが、米国のヘッジファンド業界は、このニュースに震え上がっているようです。

 米国のインサイダー取引事件としては、2年間にシリコン・バレーのハイテク企業に関するインサイダー情報を収集し、それを使って運用していたスリランカ出身の有名なファンド・マネージャー、Raj Rajaratnam氏が逮捕されたことが大きな出来事でした。

 筆者も間接的に大手ヘッジファンドの関係者に聞いたことがありますが、どんなに優秀な運用担当者でも、コンスタントに結果を出し続ける為には、競争相手に勝る情報を入手することが極めて重要で、その為には大変なコストと労力を惜しまないそうです。

 そういった情報収集力は、資金力と市場に対する影響力の大きな大手ほど強く、もともと強いファンドがより強くなり易いという傾向に拍車をかけているという一面もあるようです。市場の現実の姿は一部の経済学者のいう、完全競争、完全情報共有という仮定とまったく異なるわけです。

 当然のことながら、ファンドがそのように収拾する情報には、一般に公開されていないものばかりで、インサイダー取引と疑われても不思議でないものも少なくないのでしょう。

 ただし、一般的にはそれを証明することは容易ではないために、捜査当局に摘発されることは稀にしかないのです。そういう意味では、今回のSECの足掛け3年の捜査は賞讃に価するもので、最終的にはどれだけ大きな成果を得られるのか、大いに関心のあるところです。
スポンサーサイト
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。