グローバルな金融経済の動向を、ユニークな視点を交えてお伝えいたします。

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地殻変動が始まった中国

本メルマガで「揺れ動く中国の共産主義」と書いたのは今からちょうど3週
間前のことですが、その後の展開の速さには、驚くばかりです。

 展開の早さという意味は、習近平氏が次の最高指導者に内定したなどという
表面的な意味でなく、中国の一党独裁政治の基盤の不安定さの実情が、急速に
ネットの世界などで報じられるようになったという意味です。

 これは、尖閣諸島、レアアース問題、劉暁波(りゅうぎょうは)氏のノーベ
ル平和賞受賞から、習近平氏の後継者争いにおける勝利という一連のイベント
が起きたことによって、世界の多くの人々の関心が中国問題に集まり、アンテ
ナの感応度が高くなったことが一つの要因なのでしょう。

 中国人の友人によると、最近は、中国国内からさえも当局の監視の目をかい
くぐって、ブログやツイッターを使って、一党独裁を厳しく批判するものを含
めて、さまざまな情報が流されるようになって来ていると言います。

 そんな情報の中で、興味深かったものは、中国の最高指導者選出の基準に関
するものです。中国共産党のトップを選ぶ時には、政治家としての資質云々以
前に、最も重要な基準が2つあり、毛沢東時代以来その基準によって指導者の
選抜が行われ、それは今回の習近平氏選抜も全く同様であるというのです。
 
 一つの基準は、前任者の仕事を否定しない人物であることで、これによって
前任者は後継者に粛清されることを防ぎます。
 
 もうひとつの基準は、中国共産党の幹部やその家族が得ている巨大な利権の
邪魔をしない人物であるということだそうです。特に美味しい利権は国営企業
の幹部に親族を送り込むことで、かれらは一般の人々の想像も出来ない優雅な
暮らしをして、子弟は海外に留学させ、権益で得た巨万の富の一部は海外の銀
行の秘密口座に移動、といった状況であるそうです。
 
 現在の最高指導者である胡錦濤氏の選出は、トウ小平氏の意向によるものだ
そうですが、強力な指導力を持たない胡錦濤政権においては、特にこのような
利益グループのバランスをとることが重要になっているそうです。

 これとは対照的に一般の中国人の状況は厳しいようです。中国には、人民が
地方政府の腐敗や横暴を北京の中央政府に直訴する「上訪」という制度がある
そうですが、最近では地方政府のみならず中央政府までもが、一部の企業を使
って困った人々が「上訪」するのを阻止して、人民の悲痛な叫びを握りつぶし
ていると言います。

 こういった、中国の一党独裁の矛盾点を指摘する声は、ネットを通じて着実
に増えていて、尖閣諸島問題以降は、英語や日本語でもそういった情報を見か
けるようになりました。そして、それらの情報は概ね整合的であるように見え、
比較的信ぴょう性は高いように思われます。

 ただし、中国人の友人によれば、中国国内では、情報統制されているなかで
貴重な情報にアクセスする術を心得ている人はごくわずかで、大多数の人々は
今だに何も知らないそうです。

 とはいえ、中国の地殻変動は既に始まっているのかもしれません。筆者は、
世界情勢には目を光らせているものの、中国問題の専門家でも何でもありませ
ん。その筆者のところにさえ、ある程度の情報が流れ込んで来ているわけです
から、水面下の情報量は相当に増えているのでしょう。

 現代の情報の特徴は、ネットなどを通じて幾何級数的に広がって行くことで
す。中国の一般の人々が、情報統制を受けていても、さまざまな経路を通じて、
自分の国の本当の姿に気づくのも、実はそれほど遠い将来ではないという気も
します。

 その時、いったい何が起こるのか、日本や日本の企業活動との関係はどうな
るのか、ということは、今のところ全く想像出来ません。
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