グローバルな金融経済の動向を、ユニークな視点を交えてお伝えいたします。

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尖閣諸島問題で分かったこと

 今回の尖閣諸島問題は、筆者を含めて大多数の日本人にとって初めて目の当
たりにした、身近で生々しい領土紛争だったのではないでしょうか。

 近年頻繁に垣間見られるようになっていた中国の膨張主義的なスタンスが、
日本に対しても発揮され、さらに中国が生産を独占するレア・アースを脅し材
料に使ったことは、欧米でも大きな関心を呼んでいます。

 山本七平氏がペンネームで書いた「日本人とユダヤ人」で「日本人は、水と
平和はタダと思っている」という主張をしたのは1970年のことです。

 今回の出来事によって、多くの人々に「タダでは無いのかも知れない」とい
う意識を芽生えさせるきっかけになるかもしれません。

 しかしながら、国の安全の意識が高まることは良いことですが、あまりカッ
カし過ぎるとロクなことはありません。相手の状況を冷静に観察し分析するこ
とも、非常に重要であると思われます。

 そういう視点では、今回の中国の動きにはいくつか不可解なポイントがある
ように思えます。

 まず、中国が単に国を挙げて膨張主義に走っているのであるとすれば、今回
の尖閣諸島問題における事の進め方は、非常に下手な行為に思えるからです。

 漁船が巡視船に衝突したという事件をきっかけに、一気に領土を占領するな
らともかく、中途半端な威嚇行為で終わらせるのであれば、日本をはじめとす
る国際社会に中国警戒論を盛り上げる結果となり、これは本来の膨張政策によ
ってかえって障害になる可能性が高いからです。

 実際、今回の事件をきっかけに日本は対中国の防衛力強化に、大きく舵を切
ることになるのでしょう。

 さらには、資源供給を人質にするような行為は、中国の海外における資源獲
得の動きに対する警戒感を一層高めることは必至でしょうし、中国との経済取
引全般に対するリスクも強く意識される結果となります。

 そう考えていくと、今回の事件は何を目指したことなのか、良く分からない
ことになります。少なくとも、国を挙げて何か長期的な目標をもって計画的に
行った行為ではなさそうです。

 もちろん、膨張主義的であまり長期的な計画性のなさそうな勢力が存在して
いて、彼らの相対的な勢力の拡大と行動の過激化があることは間違いないので
しょう。

 一番連想しやすいのは、かつての日本やドイツであったような、気持ちばか
り先走った「青年将校」の暴走という構図でしょうか、ただし筆者にはこの辺
の実際のところは何も分かりません。

 膨張主義的な勢力は、なぜ膨張を求めるのか、それはなにか現状に対する不
満が原因なのか?こういったことも謎です。

 いずれにしても、現在中国の国内のパワー・バランスが不安定な状態になっ
ていることだけは間違いないのでしょう。そうでなければ、この不可解な事件
を説明することは出来そうにありません。

 もしかすると、中国国内の地殻変動が起こるのは、そう遠くない将来である
かもしれないという気がしてきました。
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