グローバルな金融経済の動向を、ユニークな視点を交えてお伝えいたします。

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不思議の国の為替相場

 市場というものは元来論理的ではありませんが、最近の円の為替相場ほど不
思議な状況はなかなかないかもしれません。

 日本の政治の混迷や、世界経済の先行きの雲行きが怪しくなって、日本の輸
出産業がダメージを受けると言う観測が高まるほど、市場は「円買いを浴びせ
る」からです。

 政界が混乱して必要な施策が実行されそうもなかったり、輸出企業が苦境に
立たされたり、国力の低下が懸念されるならば、内外の投資家は通貨に対する
「売りを浴びせる」のがごく自然の姿です。

 実際、90年代のアジア危機や、ロシア危機、それに最近のユーロもそうです
が、経済が危機に陥れば通貨は大幅に下落するのが普通です。

 しかし、近年の円相場では、「日本の政治が混迷しているぞ!」、「株が低迷し
て景気が悪くなるぞ」といって、ガイジンだけでなく国内の投資家も日本円を
競って買いにくるわけですから、これはかなりわけの分からない状況です。

 野党の党首などからは「政府がきちっとした対応が出ないから円高になる」
という声が聞かれます。「きちっとした対応」というのが単に為替介入の事だけ
を指すならその意味は通じなくもありませんが、現政権のいろいろな分野での
無策ぶりは長期的には非常に立派な円安政策であり、本当は「円安論者」の方々
には大いに誉めたたえられてしかるべきです。

 前回、70円台の超円高を記録したのは1995年4月のことですが、当時日本は
阪神大震災のあとで、バブルの傷跡から抜けきっていないことが次第に明らか
になってきた時期でした。

 この時の円高は、結局長続きせず、その後日本経済は山一証券や長銀の破綻
などの時期に向かうことになり、金利の低さもあり長期的な円安相場となまし
た。1998年の8月には150円近い円安になります。(ただし、98年の秋には、
円売りのポジションを膨らませ過ぎたヘッジファンドのポジション解消で、再
び急激な円高になりますが・・・)

 こうして考えると、本当に日本の先行きに全く希望が持てないのであるとす
れば、現在円買いをしているガイジンたちが、いつまでも、魅力も金利もない
円を保持したままでいるとは思えません。

 したがって、最近の為替を動かしているドライバーは、どんな理不尽な材料
でも利用してしまおうという一部の市場参加者の思惑だけで、所詮一時的な材
料であるだけのような気がします。

 そして、マスコミや政治家が「円高、円高」と大騒ぎすればするほど、市場
の術中にはまることになります。
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