グローバルな金融経済の動向を、ユニークな視点を交えてお伝えいたします。

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崖っぷちのギリシャ

 以前からこのメルマガではギリシャ問題は自力で財政を立て直すか、デフォ
ルトしかないと言ってきましたが、後者の可能性が予想より少々早い展開で懸
念される事態になってきました。

 ギリシャ政府が先月4.3%の利回りで発行した2年債の利回りは先日14%近く
にも達し、これはもはや資本市場からの調達が不可能になったことを意味しま
す。

 格付け会社S&Pはギリシャの格付けを3段階下げて一気にジャンク級にしま
したが、それはこの利回りにふさわしい格付けです。

 ドイツが簡単にお金を出すことに合意しないことは、ある意味で予想通りの
展開といえますが、投資家達はつい最近までEU諸国が何とかしてくれると甘く
見ていたのでしょう。最近のギリシャ国債の暴落はその反動の部分もあります。

 何度も繰り返しますが、ギリシャがデフォルトを回避するためには、厳しい
歳出削減をする以外に手はないのですが、連日報道されているギリシャの公務
員のストライキの映像を見ていると、民主主義という政治システムの大きな限
界を感じないわけにはいきません。

 国の危機を救うための痛みを国民が受け入れる準備が出来ていないわけで、
ギリシャの政治リーダーは八方塞の状態なのでしょう。

 この構図、どこかの国も似ていますね。

 今月と来月がギリシャの資金調達の当面の山場で、5月19日には85億ユーロ
の国債償還が控えています。それまでに資金調達を行わないと、国債の元本を
支払えない可能性があるのです。

 おそらく、今回に関しては、あまりにも急激な混乱を回避するためにEUとIMF
が当面の資金は工面する可能性が高いと思われます。

 ただし、ギリシャ政府が国民の反対を押し切って大胆な歳出削減を約束する
必要があるでしょうし、そうしなければもはや事態は収拾不能です。
 
 果たしてそれが出来るのでしょうか?

 さて、ここでなぜギリシャがここまで追い込まれたかを考えてみると、もち
ろん根本には放漫財政との問題があるのですが、危機の直接的な原因は資金繰
りの構造的な問題があります。

 企業倒産の場合も全く同様なのですが、デフォルトの直接的な原因の多くは
資金繰りに窮することにあります。逆に言うと資金繰りさえクリアーしてれば、
債務超過であってもなかなか倒産することはありません。

 今年1月に行われたギリシャ国債の競争入札では、引き受け手は約8割が海
外の投資家でした。資金調達の多くを海外に依存しているわけです。

 特にドイツやフランスの金融機関は巨額のギリシャ向け債権を保有している
ようです。

 ギリシャにとって皮肉なことは、通貨ユーロの加入によって為替のリスクか
ら解放され海外投資家らの資金調達が容易になったのですが、今回は逆に海外
投資家依存の大きさが、調達コストを急騰させ危機を拡大させているのです。

 こう考えていくと、最終的にはまずギリシャがユーロを離脱して、その直後
にデフォルトして債務削減というシナリオを考えてしまうのですが、それは欧
州の金融機関にとっては強烈な痛みになりそうですね。

 今回の事態はメルケル首相にとっても八方塞に近いのかも知れません。
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